VMwareからHyper-Vへの仮想マシン移行～starwind v2v converter編～

2025/12/26

はじめに

BroadcomによるVMware買収の影響を受け、仮想化基盤の移行先を検討されているお客様が増えています。
弊社では、前回ご紹介したOSSのProxmox VEへの移行提案に加え、Microsoft Hyper-Vへの移行についてもご相談を多くいただいています。

一方で、VMwareとHyper-V では仮想ディスクのファイル形式が異なるため、単純なコピーでは移行できず、仮想ディスク形式の変換（V2V）が必要となります。

・VMware：VMDK（.vmdk）

・Hyper-V：VHD（.vhd）、VHDX（.vhdx）

この「ファイル形式の違い」が、VMwareから Hyper-Vへの移行におけるハードルの一つとなっています。
そこで本記事では、フリーで利用可能な「StarWind V2V Converter」を使い、VMware環境からHyper-Vへ仮想マシンを移行する手順について解説します。

VMwareからProxmox VEへの移行記事はこちらから
脱VMwareの大本命！“Proxmox VE“に仮想マシンをマイグレーションしてみた。

StarWind V2V Converterとは？

StarWind V2V Converterは、StarWind Software社が提供する
異なるハイパーバイザー間で仮想マシンや仮想ディスクを変換できる無償ツールです。
仮想ディスク単体の変換だけでなく、ESXi上の仮想マシンを直接指定してHyper-Vへ変換・転送することも可能です。

StarWind V2V Converter の主な特長

無料で利用可能
GUIベースのウィザード形式で直感的に操作可能
ESXi → Hyper-Vの直接変換に対応（ネットワーク経由）
VHD / VHDXの指定が可能（通常はVHDX推奨）

コストをかけずにVMwareからHyper-Vへの移行が行える点は、大きなメリットと言えます。

移行手順

1.starwind v2v converter の設定

・以下のサイトから「starwind v2v converter」をダウンロードし、Hyper-Vが稼働しているサーバーにインストールします。
　※本ツールは Windows 上で動作するため、管理用 PC や Hyper-V ホスト上にインストールする構成が一般的です。
　※ 実施前に、移行対象の仮想マシンはシャットダウンしておくことを推奨します。
　https://www.starwindsoftware.com/starwind-v2v-converter

・インストール後、starwind v2v converterを起動して、「Remote Vmware ESXi Server or vCenter」にチェックを入れて「Next」をクリックします。

・続いて、ESXiサーバもしくはvCenterのIPとログイン情報を入力して「Next」をクリックします。

・VMware上の仮想マシンの情報が表示されるので、移行対象の仮想マシンのイメージファイル（vmdkファイル）を選択して「Next」をクリックします。

・次に仮想マシンイメージの保存先の選択で、「Local file」にチェックして「Next」をクリックします。

・仮想マシンイメージの保存フォーマットの選択で、「VHD/VHDX」（Microsoft用のイメージフォーマット）」にチェックして「Next」をクリックします。

・「VHDX growwable image」（可変型のVHDX）にチェックして「Next」をクリックします。

・イメージファイルの保存先を入力して「Convert」をクリックします。

・コンバートが開始され、変換が完了すると以下のように表示されます。
変換時間は、仮想ディスク容量やネットワーク帯域によって異なりますが、90GBのコンバートに約30分程度かかりました。
　

2.Hyper-V上で仮想マシンを作成

続いて、変換された仮想ディスクを使用して、Hyper-V マネージャー上で新規仮想マシンを作成します。
・Hyper-Vマネージャを起動して、新規仮想マシンを作成します。

・新規仮想マシン用の設定を適宜行い、「仮想ハードディスク接続」設定の際に「既存の仮想ハードディスクを使用する」にチェックを入れて、場所欄にコンバートした仮想イメージを入力します。

・仮想マシンの設定を調整した上で、仮想マシンの正常起動を確認して移行完了となります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
本記事では、StarWind V2V Converterを利用したVMwareからHyper-Vへの仮想マシン移行手順をご紹介しました。

当社では、BroadcomによるVMware買収の影響を受け、いち早く仮想化基盤の見直しに取り組み、
Proxmox VEをはじめ、Microsoft Hyper-Vを含む複数の移行選択肢について検証・提案を行ってきました。
これまでに培ってきた実績とナレッジをもとに、単なる製品提供にとどまらず、