汎用PCIeスロットでNVMe U.2 SSDを活用!変換カード導入と2機種での初期検証レポート

前回の記事では、xFusionサーバーにおけるバックプレーン接続でのNVMe SSD動作検証についてご紹介いたしました。 その高性能から注目を集めるNVMe SSDですが、専用のバックプレーンを搭載したラックサーバーでなければ使用できないという課題がありました。

専用バックプレーンの制約と新たな挑戦

もちろん、専用設計されたサーバーは最適なパフォーマンスを提供しますが、検証環境や利用シーンによっては、汎用性の高い環境でNVMe SSDを導入したいというニーズも少なくありません。 専用バックプレーンを備えたサーバーが手元にない場合や、既存のサーバー資産を有効活用したいといった場面では、NVMe SSDの導入は難しいのが現状です。

そこで私たちは考えました。「NVMe SSDを、通常のPCI Expressスロットに接続できる変換カードは存在しないのだろうか?」

NVMe-PCIe変換カードとの出会い

この疑問を解決すべく調査を進めたところ、まさに求めていた製品を見つけることができました。 市販されているNVMe U.2 SSDを一般的なPCI Expressスロットへ変換し、接続を可能にするカードの存在が判明したのです。

製品ID: PEX4SFF8639

ドライバ不要、OSに依存しないため簡単にセットアップ。

PCにPCIe NVMe U.2 SSDを追加し、システムのスピードと性能をアップグレード

アダプタケーブル不要、直接アダプタにSSDをマウント

PCI Express 4.0 x4 レーン ホストアダプタ

x4 PCIe 3.0マザーボード対応。PCIe 2.0およびPCIe 1.0との下位互換性もあり

「これは検証する価値がある!」と確信し、早速1枚購入し、導入準備に取り掛かりました。 写真のように、変換カードはサーバー筐体の背面から4点のネジでしっかりと固定するタイプでした。これにより、安定した取り付けが可能です。

検証環境の選定

今回の検証では、汎用的なサーバー環境での動作を確認するため、以下の2機種を選定いたしました。

  • ① PRIMERGY TX1310M5
  • ② ProLiant DL360 Gen10

これらは比較的多くの企業で利用されているモデルであり、この2機種で問題なく動作すれば、より幅広い環境での応用が期待できます。

PRIMERGY TX1310M5での初期検証

まずは、タワー型サーバーであるPRIMERGY TX1310M5から検証を開始します。 マザーボード上の上から3番目にあるPCI Express Gen3 x4スロットへ、今回導入したNVMe-PCIe変換カードを搭載しました。

サーバーを起動し、BIOS設定画面で確認したところ、搭載したNVMe SSDが正常に認識されていることが確認できました。これは幸先の良いスタートです。

BIOSでの認識が確認できましたところで、次のステップといたしまして、Windows Server 2022のインストールを進めさせていただきました。OS上での動作、ならびにパフォーマンスに問題がないか、入念に検証いたしました。

その結果、インストールは特に問題なく、非常にスムーズに完了いたしました。もちろんのこと、再起動につきましても、問題なく正常に起動することを確認いたしました。

続きまして、定番のベンチマークソフト「CrystalDiskMark」を使用し、ベンチマークテストを実施いたしました。

こちらで計測された数値を見る限りでは、シーケンシャルReadおよびWriteのパフォーマンスは、PCI-Express Gen3 x4に匹敵する値を示しております。

PRIMERGY TX1310M5では、標準搭載のストレージデバイスがSATA接続となりますため、速度面で一定の限界がございました。本デバイスをご活用いただくことで、従来のストレージ速度に関する課題解決の一助となることが期待されます。

しかしながら、本デバイスはメーカーからは非公式の製品として扱われております点、十分にご留意ください。長期的な運用や、高負荷がかかる環境下での動作検証は実施しておりませんため、基幹システムなどのクリティカルな環境でのご使用はお控えいただき、補助的なデバイスとしての活用をお勧めいたします。

ProLiant DL360 Gen10での検証についても、次回の記事でご報告いたしますので、どうぞご期待ください。

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