Synology ActiveProtect (DPシリーズ) がデータバックアップを変える!
Synology ActiveProtect(DPシリーズ)は、従来の多機能NASとは一線を画す、「PBBA(Purpose-Built Backup Appliance:バックアップ専用アプライアンス)」です。ランサムウェア対策やデータ復旧が企業の最重要課題となった現代において、データ保護という単一の目的に特化し、エンタープライズレベルの安定性とセキュリティを提供する製品として設計されました。
| 特徴 | ActiveProtect (DPシリーズ) | 開発思想 |
|---|---|---|
| カテゴリ | バックアップ専用アプライアンス | データ保護に特化 |
| OS基盤 | バックアップ専用OS (APM) | 攻撃対象領域の極小化 |
| 主な役割 | データ保護とリカバリ | リソース競合の排除と安定性の追求 |
| セキュリティ | イミュータブルストレージ標準搭載 | 「最後の防衛線」としての防御力強化 |
2. 通常のSynology NAS (DSM) との違い「Active Backup for Business (ABB)を動かせるNASの上位機種」という誤解がありますが、DPシリーズは全く異なる設計思想に基づいています。従来のNASが「スイスアーミーナイフ」だとすれば、DPシリーズはデータ保護に特化した「手術用メス」です。
ActiveProtect (DPシリーズ) と 通常モデル (DSM) の比較
| 比較項目 | Synology 通常モデル (DSM + ABB) | ActiveProtect (DPシリーズ) |
|---|---|---|
| 主要用途 | ファイル共有、多目的サーバー | エンタープライズ・バックアップ基盤 |
| ファイル共有 | ◯ 完全対応 (メイン機能) | ✕ 非対応 (バックアップリポジトリ専用) |
| アプリ実行 | ◯ 対応 (Docker, VMM, Chat等) | ✕ 非対応 (セキュリティ強化のため) |
| 重複排除 | ボリューム単位 | グローバル (サイト/クラスタ全体・ソース側) |
| 管理単位 | デバイス単位 (CMSは監視が主) | サイト/クラスタ単位 (ポリシー統合管理) |
| 導入難易度 | 中 (設定が必要) | 低 (電源ON→ウィザードで即完了) |
3. どういった顧客にマッチするか?(ターゲット顧客)DPシリーズは、既存のバックアップ環境に課題を抱える以下の企業に最適です。
- ターゲット1:Veeam/Arcserveの保守更新を迎える中堅〜大企業
- 課題:ライセンス費用の高騰、Windows ServerのOS管理(パッチ適用など)の手間。
- 訴求点:TCO(総保有コスト)の削減と、OS管理の重労働からの解放。
- ターゲット2:多拠点展開を行う企業
- 課題:WAN帯域が細くバックアップが終わらない。現地にIT担当者がいない。
- 訴求点:ソース側グローバル重複排除による転送量最大99%削減。ゼロタッチ導入に近い展開の容易さ。
- ターゲット3:ランサムウェア対策を急務とする組織(自治体、公共、医療など)
- 課題:強固なセキュリティ(不変性)が求められるが、予算は限られている。
- 訴求点:複雑なオプション費用なしでイミュータブルストレージと論理的エアギャップを標準提供。
4. 競合製品 (Veeam, Arcserve) との比較サマリー
| 特徴 | Synology DPシリーズ | Veeam Backup & Replication | Arcserve UDP Appliance |
|---|---|---|---|
| 提供形態 | 専用アプライアンス (HW+SW) | ソフトウェア (HW別途) | ソフトウェア または アプライアンス |
| OS | 独自OS (Linuxベース) | Windows Server (別途必要) | Windows Server (Embedded) |
| ライセンスモデル | 管理ノード単位 (対象無制限) | ワークロード単位 (サブスクリプション) | ソケット数 または 容量単位 |
| TCO (5年) | 低 (HW込み、追加費用少) | 高 (ライセンス更新+OS費用) | 中〜高 (更新費用) |
| 重複排除 | ソース側グローバル | ターゲット/ソース (構成による) | ターゲット/ソース (グローバルは限定的) |
| ランサムウェア対策 | Linuxベース、不変ストレージ標準 | Linuxリポジトリ構築にスキル必要 | WindowsベースのためOS自体が標的に |
| 運用管理の手間 | 低 (オールインワン) | 高 (構成が複雑) | 中 (Windows管理は残る) |
【画像イメージ:VeeamやArcserveのライセンス価格やOS管理の課題を視覚化したグラフまたはイラスト】5. 導入の成功シナリオ成功パターン (Go Scenarios)
| シナリオ | 概要 | DPシリーズの構成例と効果 |
|---|---|---|
| 全国支店網の統合バックアップ | 全国20拠点のPC・ファイルサーバーを本社で一元管理したい。 | 構成:本社にDP7400、各拠点にDP320を設置。効果:グローバル重複排除で転送量を劇的に削減。本社ダッシュボードから全拠点の状況を監視可能。 |
| 仮想化基盤の高速リカバリ | VMware/Nutanix環境で、ランサムウェア感染時などの高速復旧手段が欲しい。 | 構成:DP7200 x 1台を導入。効果:「Instant Restore」機能で、DPシリーズ上でVMを直接起動。数分で業務を復旧させる。 |
提案すべきでないケース (No-Go Scenarios)以下の要件がある場合は、DPシリーズではなく従来のSynology NASを推奨します。
- ファイルサーバー兼用の要望:DPシリーズはバックアップリポジトリ専用で、ファイル共有機能(SMB/NFS)はありません。→ SAシリーズやXS+シリーズなどのDSM機を提案
- Dockerで社内ツールを動かしたい:DPシリーズのOS (APM) はクローズドであり、Container Managerなどのアプリケーションは利用できません。→ Plusシリーズ以上のDSM機を提案
- 予算が極端に限られている:DPシリーズは専用ハードウェアのため、エントリークラスのNAS価格帯ではありません。
