xFusion「iBMC」とは?主要サーバーベンダーのリモート管理機能との比較

近年、サーバー市場ではCPU性能やメモリ容量、ストレージ構成といったハードウェアスペックのコモディティ化が進んでいます。
主要ベンダー各社の製品を比較しても、性能面では大きな差がつきにくくなり、いまや導入判断のポイントは「ハード」そのものよりも、いかに効率的・安全に運用できるかという「運用管理のしやすさ」へとシフトしていると言っても過言ではありません。

その中核を担うのが、サーバーに搭載されるBMC(Baseboard Management Controller)です。
BMCはOSが動作していない状態でもハードウェアを遠隔監視・制御できる管理コントローラーであり、日々の運用や障害対応を左右する、いわば「運用の要」となる存在です。
現在、各サーバーベンダーはこのBMCを中心に、より直感的なGUI、セキュリティ向上、クラウド管理など、独自の差別化を進めています。

本記事では、弊社が販売代理店を務めるxFusionが提供するiBMCの特徴を紹介しつつ、他社BMCとの比較を紹介します。

目次

BMC(Baseboard Management Controller)とは

BMC(Baseboard Management Controller)は、サーバーのマザーボード上に搭載された専用の管理チップです。
このコントローラーにより、OSが起動していない状態でもサーバーを監視・制御することが可能になります。

代表的なBMCの機能は以下の通りです:

  • 電源のオン/オフ、再起動の制御
  • センサー情報の取得(温度、電圧、ファン回転数など)
  • システムログ(イベントログ、ハードウェアアラート)の確認
  • リモートコンソールによるOSインストールやトラブルシュート
  • BIOS設定やファームウェア更新の遠隔実施 etc,,,

これらの機能により、現地に赴くことなくトラブル対応や保守作業を行うことが可能となり、運用コストの削減やシステム稼働率の向上に大きく貢献します。
なお、各社サーバーでは独自のBMCを搭載しており、名称や機能に違いがあります。

<一例>
HPE  :iLO(Integrated Lights-Out)
DELL  :iDRAC(Integrated Dell Remote Access Controller)
富士通 :iRMC(Integrated Remote Management Controller)
xFusion :iBMC(Intelligent Baseboard Management Controller)

xFusionとは

xFusion(エックスフュージョン)は、2021年にHUAWEIのサーバー事業から独立して設立されたITインフラ企業です。
現在はグローバルで80か国以上に展開し、サーバーおよびクラウド基盤ソリューションを提供しています。
HUAWEI時代に培われた高い技術力を基盤に「圧倒的なコストパフォーマンス」「幅広いラインナップと高い拡張性」、そして「日本式の品質管理を取り入れた高品質な製品」を特長としています。
現在はHUAWEI社との資本関係はなく、本社はシンガポール、製造拠点はマレーシアにあり、日本国内でも5万台以上のサーバーが稼働しています。

  社名  :xFusion技術日本株式会社
  事業内容:x86サーバーの開発・製造・販売
  本社  :シンガポール
  設立  :2021年9月(日本法人:2022年)
  資本金 :約130億円
  企業HP :https://www.xfusion.com/jp

xFusionの「iBMC」とは

xFusionのサーバーには、自社開発の管理コントローラー iBMC(intelligent Baseboard Management Controller) が搭載されています。
iBMCはシンプルで直感的なWebインターフェースによる操作性とAPI連携による運用自動化への対応を特長としています。
さらに、コンピュータセキュリティの国際規格である CC(Common Criteria) において、業界で初めて EAL4+ 認証を取得しており、BMCとしてはトップクラスのセキュリティ基準を満たしています。

GUI

・WEBブラウザ経由でアクセス可能
iBMCは、専用クライアントソフトを必要とせず、Webブラウザから直接管理コンソールへアクセスできます。
日本語表示にも対応しており、シンプルで直感的なインターフェースが特長です。
ダッシュボード上では、サーバー内部の温度・電圧・ファン回転数などをリアルタイムに可視化できます。
また、主要な操作(電源のオン/オフ、リモートコンソール起動、ファームウェア更新など)もワンクリックで実行可能です。

主な機能

・仮想KVM / リモートコンソール

他社BMCではリモートコンソールや仮想メディア機能が有償ライセンスとなる場合が多い中、iBMCではこれらの機能を標準で無償提供
初期コストを抑えつつ、リモートからのOSインストールやトラブル対応を容易に行えます。

・電源管理(オン/オフ/再起動)
サーバーが稼働中であっても、遠隔から安全に電源の制御が可能です。計画停止や緊急時の再起動にも柔軟に対応します。

・システムログ管理
障害発生時のイベントログを自動で収集し、以下のような重大度レベルで分類します:
クリティカル、メジャー、マイナー、正常
また、Syslog通知・メール通知・SNMP Trap通知 に対応しており、外部監視システムとの連携も容易です。

・パフォーマンス/ハードウェアセンサー監視
温度・電圧・ファン・電源などのハードウェア状態を常時監視し、異常検出時には即座にアラートを発報。
サーバーの安定稼働を支える重要な役割を担います。

・API連携(Redfish対応)
RESTful APIであるRedfishをサポートしており、外部ツールや自動化スクリプトとの連携が可能。
大規模システムにおける運用自動化にも適しています。

セキュリティ

・複数レイヤーでのセキュリティ対策
BMCはサーバーを遠隔で制御できる強力な管理基盤であるため、セキュリティ対策の堅牢性が求められます。
iBMCでは、多層防御を基本コンセプトとして設計されており、不正アクセスや改ざんからシステムを保護します。
TPM 2.0対応、ファームウェア署名検証、通信経路の暗号化(HTTPS / SSH / SNMPv3)、アクセス権限と監査ログ管理 etc,,,

また、iBMCは、情報セキュリティ分野の国際的評価基準であるCommon Criteriaに準拠し、業界初のEAL4+認証を取得しています。
これは、製品のセキュリティ機能と開発プロセスが第三者機関により評価されていることを意味し、
政府機関や金融機関など、高いセキュリティ要求を持つ組織でも安心して採用できる信頼性を示しています。

引用:https://www.xfusion.com/jp/news/xfusion-award-cceal4
世界唯一!xFusionサーバーが国際的に権威あるセキュリティ認証CC EAL4+認証を取得

機能比較

各サーバーメーカーのBMCについて主要機能を比較した結果、xFusionのiBMC は、リモートコンソールやメール通知などの主要機能を 追加ライセンスなしで利用できる ことが確認できました。
つまり、他社製品に比べて コストを抑えつつも管理性を確保できる 点が大きな特長といえます。

※本記事の内容は、2025年10月時点で入手可能な情報に基づいて作成しています。
※本比較表は、各メーカーが公開している情報を参考に独自にまとめたものであり、各メーカーの公式比較資料ではありません。
※記載内容は予告なく変更される場合があります。詳細な仕様や最新情報については、必ず各メーカーの公式ドキュメント・サポートページをご確認ください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
xFusionのiBMCは、直感的な操作性、充実した標準機能、そして強固なセキュリティを兼ね備えた管理基盤です。
特に、無償で利用できる機能範囲の広さは、運用コストを抑えつつ高機能なBMCを活用したい企業にとって大きな魅力と言えるでしょう。

一方で、各サーバーメーカーも統合管理ツールやクラウド管理、AIによる故障予兆など、独自の価値を提供しています。
サーバー選定においては、ハードウェアスペックだけでなく、こうした管理機能の使い勝手や運用性も重要な比較ポイントです。

弊社 KSG株式会社は、マルチベンダー対応のICT専門商社として、各メーカーの特長や強みを踏まえた最適な製品選定・ご提案を行っています。
併せて構築作業や運用支援も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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