失敗しない！仮想化共有ストレージ選びの極意【HA・FT実現のために】

2025/11/12

「仮想化環境をより安全に、そして効率的に運用したい」そうお考えの皆様にとって、共有ストレージの選定は避けて通れない重要な課題です。しかし、市場には多種多様なストレージ製品が溢れており、いざ選ぼうとすると「どれを選べば良いのか分からない」と頭を抱えてしまう方も少なくないでしょう。

この記事では、仮想化環境における共有ストレージの重要性から、最適な製品を見つけるための具体的な選定ポイント、そしておすすめの製品シリーズまでを、分かりやすく解説します。貴社に最適な共有ストレージを見つけるための一助となれば幸いです。

【起】仮想化運用において共有ストレージが不可欠な理由

仮想化技術は、ITインフラの柔軟性と効率性を飛躍的に向上させました。しかし、そのメリットを最大限に享受するためには、High Availability (HA) や Fault Tolerance (FT) といった機能が欠かせません。これらは、万が一のハードウェア障害時にもシステムを継続稼働させるための重要な仕組みです。

そして、このHAやFTを実現するために、共有ストレージは必要不可欠な存在となります。仮想マシンがどの物理サーバー上でも稼働できるように、データが共通の場所に保存されている必要があるからです。

しかし、一言で「共有ストレージ」と言っても、その種類や機能は多岐にわたります。そのため、自社の仮想化環境や用途に合わせた機種選定は、非常に難易度の高い作業となります。

【承】最適な共有ストレージを選ぶための9つの視点

共有ストレージの選定を成功させるためには、多角的な視点から慎重に検討する必要があります。以下に、選定時に押さえておくべき重要なポイントを9つご紹介します。

1. 仮想化のゲスト数

現在稼働している仮想マシンの数に加え、将来的な拡張計画も考慮し、必要な処理能力（IOPS）と容量を見積もります。ゲスト数が多ければ多いほど、ストレージへの負荷は高まります。

2. ご利用になるアプリケーション

データベース、VDI（仮想デスクトップ）、ファイルサーバーなど、利用するアプリケーションによってストレージに求められる性能要件は大きく異なります。特にI/O性能が求められるアプリケーションでは、高速なストレージが必要です。

3. 接続人数

同時にストレージにアクセスするユーザー数やクライアント数も、パフォーマンスに影響を与えます。多数のユーザーが同時にアクセスする場合、高いスループットと低遅延が求められます。

4. 接続するネットワーク環境

ストレージとの接続方式（FC: Fibre Channel、iSCSI、NFS、SMBなど）と、そのネットワーク環境（帯域幅、遅延）は、ストレージ性能を決定づける重要な要素です。既存のネットワークインフラとの整合性も考慮しましょう。

5. ストレージの種類（HDD or SSD）

HDD (Hard Disk Drive): 大容量でコストパフォーマンスに優れますが、I/O性能はSSDに劣ります。 SSD (Solid State Drive): 高速なI/O性能と低遅延が特徴ですが、HDDに比べて容量単価は高めです。最近では、両者を組み合わせたハイブリッド構成も一般的です。

6. ストレージの容量

現在のデータ量だけでなく、今後のデータ増加予測も考慮して、十分な容量を確保することが重要です。数年先を見越した計画的な容量選定が、将来的なコストを抑えます。

7. ストレージの堅牢性（RAIDレベル、冗長性）

データの消失を防ぎ、システムの可用性を高めるために、RAID構成や電源、コントローラーなどの冗長性がどこまで必要か検討します。ビジネス要件に応じた堅牢性を確保しましょう。

8. 保守体制

万が一の障害発生時に、迅速な復旧を可能にするメーカーやベンダーの保守体制（オンサイト保守、部品交換、サポート時間など）は非常に重要です。長期的な運用を見据え、信頼できる保守体制を選びましょう。

9. ご予算

これらの要件を全て満たそうとすると、当然コストは高くなります。性能、容量、堅牢性、保守体制など、どこに優先順位を置くかを明確にし、費用対効果の高い最適なバランスを見つけることが成功の鍵です。

【転】実績豊富な共有ストレージシリーズのご紹介

上記の選定ポイントを踏まえ、当社KSGがお客様の仮想化環境におすすめしている共有ストレージシリーズをいくつかご紹介します。これらは市場で高い評価を得ており、様々な環境で実績を上げています。

HPE MSAシリーズ 中小規模の仮想化環境に最適な、コストパフォーマンスに優れたエントリー・ミドルレンジストレージです。導入のしやすさと管理の容易さが特徴で、多くの企業で利用されています。
DELL PowerVaultシリーズ 幅広いラインナップを持ち、中小規模から大規模まで、様々な仮想化環境に対応可能です。信頼性と拡張性に優れ、ビジネスの成長に合わせて柔軟に拡張できる点が魅力です。
Huawei OceanStorシリーズ 高い性能と多様な機能を兼ね備えたエンタープライズ向けストレージです。特に高性能が求められる大規模仮想化環境や、データベース環境などで真価を発揮します。

これらのシリーズ以外にも、お客様の具体的な要件に合わせて最適な製品をご提案可能です。